はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
昼下がり。四人でのささやかな式がお開きになった。翔也たちは、これから市役所に届けに行く予定だと言うので、千雪と哲平も帰路に着いた。

(いつか、あんな風に私も婚姻届に名前を書くのかな……。その前にプロポーズか。いやいや!まだ早いって!やだ、もう!)

千雪が脳内で妄想していた時だ。

「あれ?」

千雪は哲平の車に同乗し、助手席に座っているのだが、窓の外を流れる景色がいつもと違うことに気がついた。

「ねぇ、どこか行くの?哲平のアパートへ帰るんじゃないの?」

「まぁまぁ……」

にやりと、意地悪く笑った哲平は言葉を濁した。

しばらく車を走らせた先には、見覚えのあるバス停があった。千雪が高校の時に利用していたバス停だ。

邪魔にならない所に車を停めてから、二人は歩いてやって来た。路肩には二十センチ程雪が積もっているが、車道も歩道も綺麗に除雪してある。

「どうしてここへ来たの?」

千雪は不思議そうに聞いた。

「思い出の場所だから」

「えー、バス停が?」

「うん。俺が千雪に一目惚れした、思い出の場所。だから、ここで渡したくて」

「え?」

そう言うと、哲平は片膝をついてポケットから指輪を取り出した。誰もがよく知る、お決まりのあのポーズだ。

「ちょっ……え?やだ、うそ、立ってよ。濡れちゃうよ……哲平」
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