はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜

過去話 哲平の一目惚れ

千雪は実家暮らしである。なので、必然的に哲平のアパートで会うことが多かった。今日も哲平と部屋飲みをしている。

乾き物を手にした千雪は、左手の薬指に装着された宝物を見つめ、ふと思い返した。

(そう言えば哲平は、私に一目惚れしたって言ってたよね)

間違いなく哲平との初対面はあの時だ。忘れもしない、初登校のバスの中。印象深かったのは彼の背の高さである。

「ねぇ哲平。私達が初めて会ったのは登校中のバスの中だったじゃない?で、あのハプニングがあって。まぁ、話もしたけど。哲平が私に一目惚れする要素が思いつかないんだよね。私の何が良かったの?」

「今更だなぁ」

哲平がビールをごくっと飲み込んで笑った。

「だよね……」

千雪は向かい合って座っている哲平の横へ移動した。

「でもさ、一目惚れだったなんて聞いちゃったら、気になるじゃん。」

千雪は哲平の肩へ、自分の肩をぶつけた。教えてほしいという、おねだりだ。

「聞きたいの?」

「聞きたい!」

仕方ないなぁ、と言って哲平は懐かしい記憶を思い浮かべた。
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