はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
休日、翔也は愛子を呼び出した。そして、一方的に別れを告げた。思考回路が支離滅裂で何をどう話したのか、よく覚えていなかったが言いたいことは言えていた気がする。『愛子の幸せのために』ひたすらに、その言葉を連呼していた。

心が壊れそうな翔也が、無意識に自分を守るために(すが)ったのは、ティエドゥールと千雪だった。

(上越に戻ろうかな。そして叔父さんを手伝って、ちぃにも会いに行こう。そうだよ。大好きだったちぃと、また一緒に居られるじゃないか。今度は絶対ちぃを手に入れよう)

愛子を納得させられないまま、翔也は逃げるように上越へ戻った。しかし愛子とは、完全に連絡を絶てなかった。愛子は自分を助け導いてくれた愛しい人だ。どんな関係性でもいい。愛子とはどうしても繋がっていたかった。いけない事だと分かっている。愛子は他の男と結婚するのだ。でも疎遠になりたくない。翔也は自分の未練に嫌気がさした。

そして三ヶ月ほど経ったある日、愛子がティエドゥールを訪ねてきた。

「翔也」

「ん?」

愛子は甘えるように、翔也の肩にもたれた。

「だめだめ。もうそういうのは無しだよ。愛ちゃんには愛ちゃんの生きる道があるでしょ?」

翔也は愛子を引き離す。

「あの話は断ったもん!病院のための結婚なんて、するわけないじゃん!」

「愛ちゃん」

「ねぇどうして?なんで?なんで私の結婚相手が医者じゃないといけないの?お見合いなんて冗談じゃないよ。私の気持ちは関係ないわけ?私は翔也と……」

「愛ちゃん!」

「……」

両肩を掴まれ愛子は黙った。
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