はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜

過去話 梨乃の憧憬

浅田梨乃は片平工務店に入社して二年目の二十三歳。インテリアコーディネーターのアシスタントとして勤務している。梨乃がアシストしているインテリアコーディネーターは瀬戸千雪といい、二つ年上の先輩だ。

どこまでもお人よしなこの先輩は、顧客の無茶な希望を何とかして叶えようと、いつも必死である。その度に梨乃に皺寄せが来るのだが、それはもう受け入れた。

(この人の力になりたい)

梨乃はそう思っているからだ。

二年前。

入社して社内研修が終わると、配属先が告げられた。梨乃はインテリアコーディネーターのアシスタントとして、千雪の隣の席へ配属された。華やかさのかけらもないお団子ヘアの先輩は、会社と自宅を往復するだけの地味子だった。

配属されてすぐに、梨乃は千雪からストレートヘアを褒めてもらった。千雪は天然パーマを気にしているようで、梨乃の髪が羨ましかったらしいのだ。

(まぁ、悪い人ではなさそうだな……。害はなさそうだし、普通の人で良かった。適度な距離感で平穏に過ごせそう)

隣に座る千雪を見て、梨乃はそんな印象を持った。こう見えて人を見る目には自信がある。他人が自分をどう見ているか。どう振る舞えばいいか。梨乃は敏感に察知して、自分を守るために立ち回ってきた。
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