はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
哲平は腕を組んで首を傾げた。

「俺はその辺はよく分かんない。女子達のテリトリーに入って行く勇気もなかったし。でも中三の時に、まぁ何かあったんだろうな。三、四人に囲まれててさ。俺、事情を知りもしないで安易に上原さんを庇ったんだ。それからだな、何かと俺に近づいて来て。高校も同じ所を受験するとか言い出して。大学も同じだよ。挙句にsasanoに転職までしてくるなんてさ。怖いよ」

「それはちょっと怖いね。誰かに相談してみた?」

「いや。何かされた訳じゃないから。……でも俺を理由に瀬戸に危害を加えるなら、それは放っておけない」

哲平が清香との過去を話してくれて、清香が哲平に執着する理由が少しだけ分かった気がした。自分が辛い時に優しくしてもらったら、特別な感情を持たずにはいられないだろう。

「上原さんに八奈見の気持ちを伝えたことはないんだよね?」

「気持ちって、例えば?上原さんから何か言われたことはないし、何もされていないんだぞ?なのに『僕は君のことを好きではありません。近寄らないでください』とか言えなくね?自意識過剰かよってなるだろ」

確かにその通りだ。
< 33 / 172 >

この作品をシェア

pagetop