はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
「ちょっと八奈見、そんな喧嘩腰にならないでよ。落ち着いて」

千雪は哲平の腕を、とんと一回叩いた。

「は?落ち着いてるし。俺だって瀬戸を盗られたくない気持ちは同じなんだよ。察しろよ」

千雪は哲平に見つめられて切なくなった。

翔也と哲平の間で板挟みになるなんて、ティエドゥールへ来た時からは、想像もしていなかった。三ヶ月前に再会したばかりの二人が、目の前で息が詰まるほどの独占欲の嵐を起こしているのだ。千雪の感情は激しく揺さぶられていた。

息巻いていた哲平が、緊張を解いて呟く。

「はぁ……やっぱりね……。今日のことを聞いた時に、嫌な予感がしたんだよ。めっちゃ迷ったけど、来て正解だったわ。危うく鈴木くんに出し抜かれるところだったじゃん」

そう言ってから、ちらりと横目で千雪を見た。
< 97 / 172 >

この作品をシェア

pagetop