藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
そのギャップは反則ですし危険です

新年会

「んじゃ、改めてあけおめ」
「おめでとう〜!」
 一月中旬、藍の初ボランティアの日の帰り藍は陽菜の家に寄った。
 ふたりで新年会をしようと誘われたのだ。
 陽菜は実家ぐらしで家族ぐるみで仲がいい。
 空気の悪い居酒屋などには行けないため、夜ごはんを一緒に食べたいときはよく来させてもらっている。彼女の母親特製の料理を食べて今は陽菜の部屋にいる。
 ジュース片手に乾杯だ。
 年末年始、陽菜は家族で海外旅行に行っていたので会えなかった。さっそく藍は、弥と会った時のこと、その後に気付いたら彬への気持ちを洗いざらい話した。
 思ってもみなかった展開に、ひとりでぐるぐると考えていて、キャパオーバーだったからだ。同い年だが、陽菜は藍よりも経験が豊富だからなにかいいアドバイスをもらえるかもしれない。
「はー……。まさかそんなことになってたとはねー。だからこの前の藍の反応が微妙だったわけだ」
「うん……。あの時点では自分でもよくわかってなかったんだけど、今から考えるともう好きになってだんだと思う」
「なるほどー」
「なんでこんなことになっちゃったのかな」
 陽菜の家に来た時は仲良くしている熊のぬいぐるみを抱いて、藍は眉を下げた。 その藍の反応に陽菜は首を傾げる。
「なんでそんな悩んでんのよ? いいことじゃん。人を好きになるのって」
「だって、こんなの約束違反だよ……。彬さんはそれは困るって言ってて、私も絶対に大丈夫ですって言い切ったんだから。こんな裏切りある?」
 正直なところ、藍自身、自分の心に裏切られた気持ちだった。
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