藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
三橋のアドバイス
* * *
月に一度の会議終わり、彬が直接研究室へ戻らずに、裏庭へ向かったのは、昼休み代わりに少しひとりになりたかったからだ。けれどドアを開けると、そこには三橋がいた。
「お疲れさん」
「……お疲れ」
すぐに回れ右をするが「待て待て待て。コーヒーくらい飲んでいけよ」と止められた。
仕方なく並んで三橋はタバコを輝は缶コーヒーを飲んだ。
「いや、それにしても今日の会議はびっくりだったな。お前、あれ知ってた?」
「いや、俺もはじめて聞いた」
いつもはひたすらダラダラと無意味な報告をする会だが今日は少し違っていた。
主任教授から資金についての報告があったのだ。
ここのところ、大須賀製薬が資金を減らしチームを編成し直すとの噂が流れているようだが、事実無根であり、そういった心配はなく現体制を維持できるから心配しないようにとの報告に、一同安堵のため息をついた。
だが、当然彬の方はそれでめでたしめでたし、とはならなかった。
大須賀に直談判に行った時、彼はチーム編成があることを否定しなかった。それどころか、彬の頼みを飲むという姿勢を示したのだ。
つまり計られたというわけだ。
おそらく、娘の見合いを了承させるために。
あの狸親父め……と、力が抜ける。とはいえ怒りは湧いてこなかった。
月に一度の会議終わり、彬が直接研究室へ戻らずに、裏庭へ向かったのは、昼休み代わりに少しひとりになりたかったからだ。けれどドアを開けると、そこには三橋がいた。
「お疲れさん」
「……お疲れ」
すぐに回れ右をするが「待て待て待て。コーヒーくらい飲んでいけよ」と止められた。
仕方なく並んで三橋はタバコを輝は缶コーヒーを飲んだ。
「いや、それにしても今日の会議はびっくりだったな。お前、あれ知ってた?」
「いや、俺もはじめて聞いた」
いつもはひたすらダラダラと無意味な報告をする会だが今日は少し違っていた。
主任教授から資金についての報告があったのだ。
ここのところ、大須賀製薬が資金を減らしチームを編成し直すとの噂が流れているようだが、事実無根であり、そういった心配はなく現体制を維持できるから心配しないようにとの報告に、一同安堵のため息をついた。
だが、当然彬の方はそれでめでたしめでたし、とはならなかった。
大須賀に直談判に行った時、彼はチーム編成があることを否定しなかった。それどころか、彬の頼みを飲むという姿勢を示したのだ。
つまり計られたというわけだ。
おそらく、娘の見合いを了承させるために。
あの狸親父め……と、力が抜ける。とはいえ怒りは湧いてこなかった。