藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
彬の告白
弥と別れた後、『詳しい話は帰ってから』と彬は言い、ふたりは彬が運転する車で家に帰ることになった。
スマホには朝のメッセージに返信がついていた。
【了解。帰る時間に迎えにいく】
だから大学に彼がいたというわけだ。
とはいえわかったのはそれだけで、それ以外のことについてはさっぱりわからない。とくに彬が弥に向かって放った言葉が意味不明だった。
そのまま捉えると、彼が藍の本当の夫になる気があるかのようだった。少なくとも弥はそう捉えていたようだ。
弥を説得するためにひと芝居うってくれたのだろうか?
自宅に着くと、彼は無言でリビングの電気と暖房をつける。
ドキドキしながらコートをコートを脱いで藍は彼と対峙した。
さっきの話の真意を聞くべきか、あるいは自分から話すべきなのかさっぱりわからない。
「言いたいことはいろいろあるが……まずは俺から大事なことを聞いていいか?」
重々しく問いかけられてドキンとして背筋を伸ばす。
もしかして、という考えが頭をよぎった。
もしかして彼は、父の嘘に気がついているのではないだろうか?
考えてみたら藍が会うのを拒否している間、彼がなにもしないなんてあり得ない。優秀な彼のことだ、なにかあると疑って調査していてもおかしくはない。こんなことならば、自分から白状すればよかったと後悔する。自白するのと、問い詰められて認めるのは全然印象が違うはずだ。
「はい」
とはいえもはや後の祭りだ。目を伏せて覚悟する。
すると、彼はため息をつき、再び重々しく口を開いた。
「なぜあの男と会っていたんだ? 俺が迎えにいくとメッセージを入れていただろう? まさか、彼に送ってもらうつもりだったのか?」
予想していたのとは、まったく違う内容の問いかけに、視線を上げて彼を見る。
あの男とは弥のことだろうか?
「会ってたというか……。私は会うつもりはなかったんですが、帰ろうと思ったらわっくんがロビーに待ってたんです。話があったみたいで」
「なるほど、待ち伏せされたというわけか。不可抗力……。なら仕方がない」
ややとげのある言い方が引っかかるが、納得はしたようだ。それにしても彼は妙に弥にこだわるような……。
だがそれはそれとして今度は自分が言うべきことを言おうと藍は気持ちを整えた。
スマホには朝のメッセージに返信がついていた。
【了解。帰る時間に迎えにいく】
だから大学に彼がいたというわけだ。
とはいえわかったのはそれだけで、それ以外のことについてはさっぱりわからない。とくに彬が弥に向かって放った言葉が意味不明だった。
そのまま捉えると、彼が藍の本当の夫になる気があるかのようだった。少なくとも弥はそう捉えていたようだ。
弥を説得するためにひと芝居うってくれたのだろうか?
自宅に着くと、彼は無言でリビングの電気と暖房をつける。
ドキドキしながらコートをコートを脱いで藍は彼と対峙した。
さっきの話の真意を聞くべきか、あるいは自分から話すべきなのかさっぱりわからない。
「言いたいことはいろいろあるが……まずは俺から大事なことを聞いていいか?」
重々しく問いかけられてドキンとして背筋を伸ばす。
もしかして、という考えが頭をよぎった。
もしかして彼は、父の嘘に気がついているのではないだろうか?
考えてみたら藍が会うのを拒否している間、彼がなにもしないなんてあり得ない。優秀な彼のことだ、なにかあると疑って調査していてもおかしくはない。こんなことならば、自分から白状すればよかったと後悔する。自白するのと、問い詰められて認めるのは全然印象が違うはずだ。
「はい」
とはいえもはや後の祭りだ。目を伏せて覚悟する。
すると、彼はため息をつき、再び重々しく口を開いた。
「なぜあの男と会っていたんだ? 俺が迎えにいくとメッセージを入れていただろう? まさか、彼に送ってもらうつもりだったのか?」
予想していたのとは、まったく違う内容の問いかけに、視線を上げて彼を見る。
あの男とは弥のことだろうか?
「会ってたというか……。私は会うつもりはなかったんですが、帰ろうと思ったらわっくんがロビーに待ってたんです。話があったみたいで」
「なるほど、待ち伏せされたというわけか。不可抗力……。なら仕方がない」
ややとげのある言い方が引っかかるが、納得はしたようだ。それにしても彼は妙に弥にこだわるような……。
だがそれはそれとして今度は自分が言うべきことを言おうと藍は気持ちを整えた。