藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
軽快なウエディングソングと、虹色のシャボン玉がふわふわと浮く中庭で大好きな人たちが、笑顔で花びらを放り投げる。色とりどりの花びらが舞うアーチの下を藍は彬の腕をとってゆっくり歩く。来てくれた大切な人たちに挨拶をして回っている。
「藍〜! おめでとう! これで私も安心だよ」
目を真っ赤にした陽菜の隣で、弥も微笑んでいる。
「藍ちゃん、幸せになってね」
藍もつられて涙を浮かべた。不自由がありつつも明るく生きてこられたのは、このふたりが友達でいてくれたおかげだ。
告白された後、弥とはしばらく連絡が途絶えていた。けれど手術の前に、会いにきてくれたのだ。
『吹っ切れたとは言い難いけど、藍ちゃんのしあわせが一番だって思ったから、今は納得してる。僕は藍ちゃんの一番の友達だからね』
同席していた彬は、吹っ切れたとは言い難いという部分にこだわっているようだが、藍としてはひと安心だ。
「おふたりとも来てくださってありがとうございます。これからも妻をよろしくお願いします」
彬の挨拶に、弥が眉を上げた。
「もちろんです。先生こそ藍ちゃんを大切にしてくださいよ。もしないがしろにしたら、絶対に許しません」
父親みたいに弥が言って、彬が不穏な表情になる。
「大切にする。ないがしろにするなど、あり得ないことだ。だが君がどういう立場で言っているのか理解に苦しむ」
「一番の友達です。ある意味、恋愛感情よりずっと強い絆ですよ。藍ちゃんが先生のことで泣くことがあったら僕が慰めます」
「ほう、愛情より友情の方が絆が強いという科学的根拠は?」
「あ! 彬さんのお友達では?」
不穏な空気を漂わせるふたりに藍はあたふたと割り込んだ。
藍と弥が友情を再開して以来、顔を合わせるといつもこんな感じになる。
弥は優秀なMRだと父は言っているが、営業先のドクターに対してあるまじき態度だ。フライベートと仕事は完璧に分けるタイプなのだろうか?
「藍〜! おめでとう! これで私も安心だよ」
目を真っ赤にした陽菜の隣で、弥も微笑んでいる。
「藍ちゃん、幸せになってね」
藍もつられて涙を浮かべた。不自由がありつつも明るく生きてこられたのは、このふたりが友達でいてくれたおかげだ。
告白された後、弥とはしばらく連絡が途絶えていた。けれど手術の前に、会いにきてくれたのだ。
『吹っ切れたとは言い難いけど、藍ちゃんのしあわせが一番だって思ったから、今は納得してる。僕は藍ちゃんの一番の友達だからね』
同席していた彬は、吹っ切れたとは言い難いという部分にこだわっているようだが、藍としてはひと安心だ。
「おふたりとも来てくださってありがとうございます。これからも妻をよろしくお願いします」
彬の挨拶に、弥が眉を上げた。
「もちろんです。先生こそ藍ちゃんを大切にしてくださいよ。もしないがしろにしたら、絶対に許しません」
父親みたいに弥が言って、彬が不穏な表情になる。
「大切にする。ないがしろにするなど、あり得ないことだ。だが君がどういう立場で言っているのか理解に苦しむ」
「一番の友達です。ある意味、恋愛感情よりずっと強い絆ですよ。藍ちゃんが先生のことで泣くことがあったら僕が慰めます」
「ほう、愛情より友情の方が絆が強いという科学的根拠は?」
「あ! 彬さんのお友達では?」
不穏な空気を漂わせるふたりに藍はあたふたと割り込んだ。
藍と弥が友情を再開して以来、顔を合わせるといつもこんな感じになる。
弥は優秀なMRだと父は言っているが、営業先のドクターに対してあるまじき態度だ。フライベートと仕事は完璧に分けるタイプなのだろうか?