藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
食事を終え食器を持ってキッチンへ行くと藍の祖母くらいの年齢の女性がいる。家政婦の新田だ。
「あら、お嬢さま。食器はそのままにしていてくださいといつも言ってるのに。どうして持ってきてしまったんですか?」
母が亡くなった頃からずっと通いできてくれている彼女はもはや家族のような存在だ。
彼女も父に負けず劣らず過保護で、家事手伝いの名目で家にいるにも関わらずなにもさせてもらえない。
それどころか藍をまるで小さな子供かのように扱う。
「食器くらいさげさせてよ。本当は洗いたいんだけど」
「そんなことしたら私の仕事がなくなってしまいます。それより薬は飲みましたか?」
「今から飲みます」
口調は丁寧だが、押しは強く父でさえ逆らえない。
「ほらほら、早く寝ませんと、また体調を崩されますよ。早く薬を飲んでください」
「ちゃんと飲みます。それより新田さん、もう帰る時間でしょ」
「お嬢さんが薬を飲んだら帰ります」
そして食洗機をセットしている間に薬を飲んだのを見届けてから、帰り支度をはじめる。
「本ばかり読んで夜更かししたらダメですよ」
「わかっています」
大の大人が、こんなことを言われるなんて情けない、と思いながら返事をすると、ようやく彼女は納得して帰っていった。
「あら、お嬢さま。食器はそのままにしていてくださいといつも言ってるのに。どうして持ってきてしまったんですか?」
母が亡くなった頃からずっと通いできてくれている彼女はもはや家族のような存在だ。
彼女も父に負けず劣らず過保護で、家事手伝いの名目で家にいるにも関わらずなにもさせてもらえない。
それどころか藍をまるで小さな子供かのように扱う。
「食器くらいさげさせてよ。本当は洗いたいんだけど」
「そんなことしたら私の仕事がなくなってしまいます。それより薬は飲みましたか?」
「今から飲みます」
口調は丁寧だが、押しは強く父でさえ逆らえない。
「ほらほら、早く寝ませんと、また体調を崩されますよ。早く薬を飲んでください」
「ちゃんと飲みます。それより新田さん、もう帰る時間でしょ」
「お嬢さんが薬を飲んだら帰ります」
そして食洗機をセットしている間に薬を飲んだのを見届けてから、帰り支度をはじめる。
「本ばかり読んで夜更かししたらダメですよ」
「わかっています」
大の大人が、こんなことを言われるなんて情けない、と思いながら返事をすると、ようやく彼女は納得して帰っていった。