藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
そう言われて、藍は思わずスマホを確認する。彼がここに到着してからすでに三十分以上経過していた。
確かに、彼は今まで会ったどんな人とも違う。けれど『嫌』とは思わなかった。
それに研究第一、つまり藍に関わってこないのなら自由になりたい藍にとっては好都合、さらに言うと患者の立場からして新薬の実用化が早くなり大変ありがたいことだと素直に思う。
——うん、大丈夫。
「それもきっと大丈夫です。そもそもそんなには顔を合わせないでしょうし。というか私もやりたいことが多すぎて藤堂さんがどうとかはあまり興味がないのでそれはお互いさまかもしれない」
すると藤堂が満足そうに微笑んだ。
「それはいい」
「……え?」
「いや、お互いに利害が一致しているだけの結婚なのに、結局好意を持たれたりしたらやっかいだからね。実をいうと俺にとってはこれが一番の懸念要素なんだ」
「はぁ」
つまりは藍が途中で彼を好きになったら困るということだ。
——意外と自信家? でもこれだけカッコよかったら仕方ないかぁ。
「大丈夫ですよ。それは絶対にないとお約束します。あ、藤堂さんも絶対に私を好きにならないでくださいね? 私もやりたいことたくさんあるので恋をしてる暇はないし」
冗談めかしてそう言うと、藤堂がふっと笑う。
「絶対にないと約束する。体調管理はさせてもらうが、俺は君自身には興味がない。では決まりだな」
きっぱりと言い切って彼は手を差し出した。
それを藍はわくわくしながら握る。
「はい、よろしくお願いします」
お互いに相手には興味がないということが決め手となって、契約が成立した。
確かに、彼は今まで会ったどんな人とも違う。けれど『嫌』とは思わなかった。
それに研究第一、つまり藍に関わってこないのなら自由になりたい藍にとっては好都合、さらに言うと患者の立場からして新薬の実用化が早くなり大変ありがたいことだと素直に思う。
——うん、大丈夫。
「それもきっと大丈夫です。そもそもそんなには顔を合わせないでしょうし。というか私もやりたいことが多すぎて藤堂さんがどうとかはあまり興味がないのでそれはお互いさまかもしれない」
すると藤堂が満足そうに微笑んだ。
「それはいい」
「……え?」
「いや、お互いに利害が一致しているだけの結婚なのに、結局好意を持たれたりしたらやっかいだからね。実をいうと俺にとってはこれが一番の懸念要素なんだ」
「はぁ」
つまりは藍が途中で彼を好きになったら困るということだ。
——意外と自信家? でもこれだけカッコよかったら仕方ないかぁ。
「大丈夫ですよ。それは絶対にないとお約束します。あ、藤堂さんも絶対に私を好きにならないでくださいね? 私もやりたいことたくさんあるので恋をしてる暇はないし」
冗談めかしてそう言うと、藤堂がふっと笑う。
「絶対にないと約束する。体調管理はさせてもらうが、俺は君自身には興味がない。では決まりだな」
きっぱりと言い切って彼は手を差し出した。
それを藍はわくわくしながら握る。
「はい、よろしくお願いします」
お互いに相手には興味がないということが決め手となって、契約が成立した。