藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
自由を満喫したい彼女はなるべく引き延ばすつもりのようだが、いずれにしても早いにこしたことはない。
このスピード婚かつ地味婚に、はじめ父親である大須賀は渋った。
ひとり娘の結婚だ。
金に糸目はつけないから盛大にやれるだけのことをやりたかったのだろう。それでもほぼほぼ諦めていた結婚自体にふたりが同意したことに喜んで、最終的には諦めた。
地方で小さな病院を経営している彬の方の両親を呼び寄せて両家の顔合わせのみをした形だ。
こちらは息子の性格を熟知しているから、口出しはなかった。
「で、どうよ? 生活は」
三橋からのしつこい追求に彬はため息をついた。
「だからどうもこうもない。そもそも、相手が引っ越してきてからの一週間、俺は自宅に帰っていない」
ちょうど外部機関に依頼していたデータの解析結果が出て、取りまとめるのに忙しく泊まり込みが続いている。
資金の心配がなくなって、今で以上に研究に集中できている。
結婚は最良の選択だったと満足している。
三橋の箸からブロッコリーがポロリと落ちた。
「お前……マジかよ? 新婚一週間でそれ?」
「なにが問題なんだ。俺が仕事優先なのは相手も納得している」
「いやそれはそうかもしれないけど、それにしたって……」
彬の言動には慣れていて、ちょっとやそっとじゃ驚かない三橋が呆れている。そしてため息をついた。
「お前の結婚、白川医科大はじまって以来のスピード婚だって言われてるけど、離婚も最速を目指してんの?」
「それはない。大丈夫だ」
極力相手に関わらない。それが結婚に際しての約束だ。その約束は完璧に果たされている。
だが事情を知らない三橋はまったく納得しない。
「いやいやいや……。それはさすがにないだろう。いいか? 藤堂、結婚ってひとりでするもんじゃないんだぞ? そんなんでどうやって結婚したんだか……」
そこでハッとして深刻な表情になった。
「まさかお前、相手を脅して承諾させたんじゃないだろうな? おいそれは犯罪だぞ」
「違う」
このスピード婚かつ地味婚に、はじめ父親である大須賀は渋った。
ひとり娘の結婚だ。
金に糸目はつけないから盛大にやれるだけのことをやりたかったのだろう。それでもほぼほぼ諦めていた結婚自体にふたりが同意したことに喜んで、最終的には諦めた。
地方で小さな病院を経営している彬の方の両親を呼び寄せて両家の顔合わせのみをした形だ。
こちらは息子の性格を熟知しているから、口出しはなかった。
「で、どうよ? 生活は」
三橋からのしつこい追求に彬はため息をついた。
「だからどうもこうもない。そもそも、相手が引っ越してきてからの一週間、俺は自宅に帰っていない」
ちょうど外部機関に依頼していたデータの解析結果が出て、取りまとめるのに忙しく泊まり込みが続いている。
資金の心配がなくなって、今で以上に研究に集中できている。
結婚は最良の選択だったと満足している。
三橋の箸からブロッコリーがポロリと落ちた。
「お前……マジかよ? 新婚一週間でそれ?」
「なにが問題なんだ。俺が仕事優先なのは相手も納得している」
「いやそれはそうかもしれないけど、それにしたって……」
彬の言動には慣れていて、ちょっとやそっとじゃ驚かない三橋が呆れている。そしてため息をついた。
「お前の結婚、白川医科大はじまって以来のスピード婚だって言われてるけど、離婚も最速を目指してんの?」
「それはない。大丈夫だ」
極力相手に関わらない。それが結婚に際しての約束だ。その約束は完璧に果たされている。
だが事情を知らない三橋はまったく納得しない。
「いやいやいや……。それはさすがにないだろう。いいか? 藤堂、結婚ってひとりでするもんじゃないんだぞ? そんなんでどうやって結婚したんだか……」
そこでハッとして深刻な表情になった。
「まさかお前、相手を脅して承諾させたんじゃないだろうな? おいそれは犯罪だぞ」
「違う」