藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
陽菜はとっくに卒業して、ここで働いて四年目、もう中堅だ。
「だね。でも藍はいつも弁当だったけど」
そうなのだ。
何度も来たことがある食堂だが、藍は食堂のメニューを食べたことがない。新田が作った栄養バランス完璧な弁当を持たせられたから。それはそれで美味しいし大変ありがたいのだけれど、そうは言ってもその日の気分で友人たちと同じものを楽しみたいという気持ちもあって、ここのメニューは藍にとって憧れだ。
「キツネうどん、カレーもいいな。あーやっぱりナポリタンにしようかな。うー! 迷うね、決められない」
人が少ないのをいいことに、券売機の前でぶつぶつと言っていると、陽菜に呆れられる。
「そんな、まるでグルメフェスに来たみたいな……。これからは好きなだけ食べられるんだから、迷うならとりあえず右からにしたら?」
現実的なアドバイスをしてくれる親友に感謝して、藍はキツネうどんをチョイスした。
盆を持って窓ぎわの席に座り手を合わせて食べはじめた。
同じものを食べている陽菜はいたって普通の味だと言うが、藍には特別美味しく思える。
「それで? 午前中はどうだった?」
「うん、楽しかったよ。もう毎日来たいくらい。紹介してくれた陽菜に感謝だよ。ありがとう」
「いやいや、こちらこそ。今時ボランティアって集まりにくくて、ちょっと困ってたんだよね。医大とかなら窓口業務目当てで人が集まるみたいなんだけど、うちは女子大だし人手不足で返却作業溜まりがちなんだよね。私も主任から感謝されたし、ありがたい。だけど無理はしないでね」
「うん。これで体調が悪くなったら、紹介してくれた陽菜にも迷惑がかかるし、それは肝に銘じとく」
毎日来たいのはやまやまだが、迷惑がかかっては本末転倒だ。
「それで帰りは三時までだよね。迎えの車が来るの?」
「だね。でも藍はいつも弁当だったけど」
そうなのだ。
何度も来たことがある食堂だが、藍は食堂のメニューを食べたことがない。新田が作った栄養バランス完璧な弁当を持たせられたから。それはそれで美味しいし大変ありがたいのだけれど、そうは言ってもその日の気分で友人たちと同じものを楽しみたいという気持ちもあって、ここのメニューは藍にとって憧れだ。
「キツネうどん、カレーもいいな。あーやっぱりナポリタンにしようかな。うー! 迷うね、決められない」
人が少ないのをいいことに、券売機の前でぶつぶつと言っていると、陽菜に呆れられる。
「そんな、まるでグルメフェスに来たみたいな……。これからは好きなだけ食べられるんだから、迷うならとりあえず右からにしたら?」
現実的なアドバイスをしてくれる親友に感謝して、藍はキツネうどんをチョイスした。
盆を持って窓ぎわの席に座り手を合わせて食べはじめた。
同じものを食べている陽菜はいたって普通の味だと言うが、藍には特別美味しく思える。
「それで? 午前中はどうだった?」
「うん、楽しかったよ。もう毎日来たいくらい。紹介してくれた陽菜に感謝だよ。ありがとう」
「いやいや、こちらこそ。今時ボランティアって集まりにくくて、ちょっと困ってたんだよね。医大とかなら窓口業務目当てで人が集まるみたいなんだけど、うちは女子大だし人手不足で返却作業溜まりがちなんだよね。私も主任から感謝されたし、ありがたい。だけど無理はしないでね」
「うん。これで体調が悪くなったら、紹介してくれた陽菜にも迷惑がかかるし、それは肝に銘じとく」
毎日来たいのはやまやまだが、迷惑がかかっては本末転倒だ。
「それで帰りは三時までだよね。迎えの車が来るの?」