藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
大須賀製薬の代表取締役社長、大須賀衛(おおすかまもる)である。
「珍しいね、君がこういう場に出席するのは」
一研究者でしかない彬のことを彼が知っているのは昔なじみだからである。
製薬会社の創業者一族でありながら、自身も医師免許を持つ大須賀は彬の院生時代の恩師の友人で、かつては研究室に出入りしていた。
それほど親しかったわけではないし、恩師が亡くなった今はビジネス上の付き合いのみだが、顔見ればこんなふうに懐かしそうにする。
「大須賀社長にお話があってきました」
挨拶もそこそこに、率直な目的を告げると、大須賀はやや驚いたように瞬きをする。
「できればふたりで話をしたいのですが。パーティーの後お時間をいただけないでしょうか」
今日は大須賀と話をするためにここへ来た。ふたりで話しをしたいなら、アポを取るのがマナーだが、大企業の社長となればすぐに時間が取れるとは限らない。このパーティーへの出席すると聞いて突撃したのだ。
そんな暇はないと断られるのは想定済みだったが、彼は鷹揚に頷いた。
「わかった、では一時間後でどうかな?」
「珍しいね、君がこういう場に出席するのは」
一研究者でしかない彬のことを彼が知っているのは昔なじみだからである。
製薬会社の創業者一族でありながら、自身も医師免許を持つ大須賀は彬の院生時代の恩師の友人で、かつては研究室に出入りしていた。
それほど親しかったわけではないし、恩師が亡くなった今はビジネス上の付き合いのみだが、顔見ればこんなふうに懐かしそうにする。
「大須賀社長にお話があってきました」
挨拶もそこそこに、率直な目的を告げると、大須賀はやや驚いたように瞬きをする。
「できればふたりで話をしたいのですが。パーティーの後お時間をいただけないでしょうか」
今日は大須賀と話をするためにここへ来た。ふたりで話しをしたいなら、アポを取るのがマナーだが、大企業の社長となればすぐに時間が取れるとは限らない。このパーティーへの出席すると聞いて突撃したのだ。
そんな暇はないと断られるのは想定済みだったが、彼は鷹揚に頷いた。
「わかった、では一時間後でどうかな?」