藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
気分転換くらい誰でもするが、彬にとっては珍しい。
研究第一で、研究している状態が通報モードの彬にとって研究に集中できないなど異常事態だからだ。
しかももっとひどいのは、気分転換をしたところで効果がないのはわかっている。
なぜなら、原因がはっきりとしているからだ。
「で、愛妻ちゃんとの関係はどうよ? うまくいってる?」
まさにその原因を出されて彬は思わず舌打ちをした。
にやにやが忌々しい。
「うまくいってるんだろ? ふふふ、ごまかしても無駄だぞ? お前が毎日、家に帰ってるという証言を高橋くんからとってある」
あいつ……と彬は舌打ちをした。
「情報漏洩だな。助手失格だ」
「まあまあ、心配してるんだよ。具合でも悪いのかもしれないって、可愛い助手じゃない。毎日帰宅って、まあ今時は普通だけどな」
なにが普通だ、と彬は心の中で毒づいた。
こんなはずじゃなかったのだという怒りをぶつける先が見つからなくて缶コーヒーを煽るように飲んだ。
結婚すれば資金の心配がなくなって、より一層研究に没頭する生活が送れるはずだった。そのための結婚だったのに。
……今のところそれができたのははじめの十日ほどだけ。
研究第一で、研究している状態が通報モードの彬にとって研究に集中できないなど異常事態だからだ。
しかももっとひどいのは、気分転換をしたところで効果がないのはわかっている。
なぜなら、原因がはっきりとしているからだ。
「で、愛妻ちゃんとの関係はどうよ? うまくいってる?」
まさにその原因を出されて彬は思わず舌打ちをした。
にやにやが忌々しい。
「うまくいってるんだろ? ふふふ、ごまかしても無駄だぞ? お前が毎日、家に帰ってるという証言を高橋くんからとってある」
あいつ……と彬は舌打ちをした。
「情報漏洩だな。助手失格だ」
「まあまあ、心配してるんだよ。具合でも悪いのかもしれないって、可愛い助手じゃない。毎日帰宅って、まあ今時は普通だけどな」
なにが普通だ、と彬は心の中で毒づいた。
こんなはずじゃなかったのだという怒りをぶつける先が見つからなくて缶コーヒーを煽るように飲んだ。
結婚すれば資金の心配がなくなって、より一層研究に没頭する生活が送れるはずだった。そのための結婚だったのに。
……今のところそれができたのははじめの十日ほどだけ。