藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
こんなことになるなんて
初詣
よく晴れた空の下、大きくて赤い鳥居に向かう参道はたくさんの人でごった返している。
両脇には『わたあめ』『りんご飴』『焼きそば』と書いてあるカラフル屋根の屋台がずらりと並び、何かが焼けるいい匂いが漂っている。
集まった人たちの中には着物を着ている人もいて、皆どこか浮き足立っている。
「わあ、テレビの中みたい‼︎」
赤いコートに身を包み帽子とマフラーで防寒はバッチリの藍は、これ以上ないくらいわくわくして思わず声をあげた。
年が明けた一月二日である。
この日藍は彬とふたりで近くの神社へ初詣にやってきた。
形だけの夫婦とはいえ、年末年始はそれらしくする必要がある。
一日はふたりで藍の実家へ行った。もちろん藍は彬の実家へも行くつもりだったのだが、必要ないと言われたのだ。
そうなるとやることはなくなって初詣に行こうと決めたのだ。
去年までは、人混みが心配だからと父は許してくれなかったのだ。
そしてそれを彬に言うとしばらく考え込んだ後一緒に行くと言い出したのだ。
『あの人混みにひとりは無謀だ』
申し訳ないと思いつつ初・初詣の誘惑には勝てなくてやってきたのである。
「屋台って夏祭りだけじゃないんですね」
「ああ。この寒空の下で物を食べることになんの意味があるのかは不明だが。ものと値段が釣り合っていないコスパ最悪の店だ」
げんなりとして彬は答える。一緒にいる時間が長くなるにつれて一見無表情に見える彼の顔の変化がわかるようになってきた。
「値段が高いんですか?」
「正月料金だな。それに具も少ない」
「寒空の下で食べるための料金なんじゃないかなあ。だってこんな場所で焼きそばを食べられるなんて最高」
藍の意見に、彼は肩をすくめる。
まったく納得はしてない。
「あ、そんなわけないって思いましたね」
「思っていない。人の価値観に差がありすぎて理解するのは大変だなと思っただけだ」
「それって言ってること同じじゃないです?」
両脇には『わたあめ』『りんご飴』『焼きそば』と書いてあるカラフル屋根の屋台がずらりと並び、何かが焼けるいい匂いが漂っている。
集まった人たちの中には着物を着ている人もいて、皆どこか浮き足立っている。
「わあ、テレビの中みたい‼︎」
赤いコートに身を包み帽子とマフラーで防寒はバッチリの藍は、これ以上ないくらいわくわくして思わず声をあげた。
年が明けた一月二日である。
この日藍は彬とふたりで近くの神社へ初詣にやってきた。
形だけの夫婦とはいえ、年末年始はそれらしくする必要がある。
一日はふたりで藍の実家へ行った。もちろん藍は彬の実家へも行くつもりだったのだが、必要ないと言われたのだ。
そうなるとやることはなくなって初詣に行こうと決めたのだ。
去年までは、人混みが心配だからと父は許してくれなかったのだ。
そしてそれを彬に言うとしばらく考え込んだ後一緒に行くと言い出したのだ。
『あの人混みにひとりは無謀だ』
申し訳ないと思いつつ初・初詣の誘惑には勝てなくてやってきたのである。
「屋台って夏祭りだけじゃないんですね」
「ああ。この寒空の下で物を食べることになんの意味があるのかは不明だが。ものと値段が釣り合っていないコスパ最悪の店だ」
げんなりとして彬は答える。一緒にいる時間が長くなるにつれて一見無表情に見える彼の顔の変化がわかるようになってきた。
「値段が高いんですか?」
「正月料金だな。それに具も少ない」
「寒空の下で食べるための料金なんじゃないかなあ。だってこんな場所で焼きそばを食べられるなんて最高」
藍の意見に、彼は肩をすくめる。
まったく納得はしてない。
「あ、そんなわけないって思いましたね」
「思っていない。人の価値観に差がありすぎて理解するのは大変だなと思っただけだ」
「それって言ってること同じじゃないです?」