藤堂彬の誤算だらけの結婚生活
衝撃の結論
* * *
一月四日、街はまだ正月気分が抜けきれておらず駅前を行き交う人たちはどこか浮かれた雰囲気だ。その中で彬は目当ての人物を見つけ手を上げる。相手もこちらに気がついて駆け寄ってきた。
「久しぶり、藤堂くん」
「お久しぶりです」
相手は学生時代の先輩女性医師、濱中だ。それほど親しいわけではないが、尊敬できる人で数年前にイギリスの大学に呼ばれて渡ってからもおりに触れて連絡を取り合っていた。
年末年始の休暇で帰国していると聞き、連絡を取ったのだ。
近くのカフェに入り、注文を済ませると、彼女は鞄からいくつかの雑誌を取り出した。イギリスで発売されている業界誌だ。
「これ、頼まれてたもの。もう私はいらないから返さなくていいわ」
「ありがとうございます。お礼はまたさせていただきます」
目当ての物を受け取る。中の記事に読みたい部分があったのだが、マイナーすぎて電子化もされておらず手に入らなかった。
彼女なら購読しているかもしれないと尋ねてみたところビンゴだったのだ。
「いいのよ、久しぶりに顔を見れて嬉しいしね。でもどうしたの? 心臓は専門外じゃない」
「ええ、まあ……」
そこでコーヒーが運ばれてくる。ひと口飲んでカップを置いた。
「妻が近々手術を受けるので、少し調べているのです」
事実を告げているだけなのに、なぜかおもはゆいような恥ずかしいような気持ちになる。
濱中があんぐりと口を開けた。
なんだその反応はと思うが、予想通りといえば予想通りだ。
「妻がって……マジなの⁉︎ いや、三橋くんから聞いてたけど、それにしても本人の口から聞くと衝撃……ついに人間になったのね。いやー研究ひと筋、研究結果を食べて生きてる藤堂くんがねえ」
尊敬はしているが彼女は三橋系のキャラクター。連絡を取り合っていても不思議ではない。
一月四日、街はまだ正月気分が抜けきれておらず駅前を行き交う人たちはどこか浮かれた雰囲気だ。その中で彬は目当ての人物を見つけ手を上げる。相手もこちらに気がついて駆け寄ってきた。
「久しぶり、藤堂くん」
「お久しぶりです」
相手は学生時代の先輩女性医師、濱中だ。それほど親しいわけではないが、尊敬できる人で数年前にイギリスの大学に呼ばれて渡ってからもおりに触れて連絡を取り合っていた。
年末年始の休暇で帰国していると聞き、連絡を取ったのだ。
近くのカフェに入り、注文を済ませると、彼女は鞄からいくつかの雑誌を取り出した。イギリスで発売されている業界誌だ。
「これ、頼まれてたもの。もう私はいらないから返さなくていいわ」
「ありがとうございます。お礼はまたさせていただきます」
目当ての物を受け取る。中の記事に読みたい部分があったのだが、マイナーすぎて電子化もされておらず手に入らなかった。
彼女なら購読しているかもしれないと尋ねてみたところビンゴだったのだ。
「いいのよ、久しぶりに顔を見れて嬉しいしね。でもどうしたの? 心臓は専門外じゃない」
「ええ、まあ……」
そこでコーヒーが運ばれてくる。ひと口飲んでカップを置いた。
「妻が近々手術を受けるので、少し調べているのです」
事実を告げているだけなのに、なぜかおもはゆいような恥ずかしいような気持ちになる。
濱中があんぐりと口を開けた。
なんだその反応はと思うが、予想通りといえば予想通りだ。
「妻がって……マジなの⁉︎ いや、三橋くんから聞いてたけど、それにしても本人の口から聞くと衝撃……ついに人間になったのね。いやー研究ひと筋、研究結果を食べて生きてる藤堂くんがねえ」
尊敬はしているが彼女は三橋系のキャラクター。連絡を取り合っていても不思議ではない。