恐怖探偵団と真夏の神隠し
哲平はそう言い、語り始めた。

「今から三百年ほど前のことです。この辺りはのどかな村でした。しかし、毎年大雨が続き、米や野菜が十分に育たないことに村人たちは頭を悩ませていました。そんなある日、村に一人の僧侶がやって来たのです」

「僧侶は村を治めている村長から大雨の話を聞くと、「私は雨を止めることができます。私に任せてください。ただし、私が雨を止めた際には、お礼をお願いします」と言い、お経を唱え始めました。すると、不思議なことに大雨がピタリと止んだのです」

「雨は止み、その年の米や野菜は過去一番と言っていいほどの実りだったそうです。その報告を聞いた僧侶は、「よかったです」と笑ったものの、村長に自分にお礼をするように言いました。しかし、お礼をすることを惜しんだ村長は村人たちと共に僧侶を殺害してしまったんです」

「僧侶は命が尽きる前、こう言い残しました。「この村から一番大切なものを奪ってやる。私を祀らない限り、大切なものを一年に一度奪いに来てやる」と。そして僧侶が死んで一週間が過ぎた夜のことでした。寝ていた子どもたちが急に起き上がり、山に向かって歩いて行くのです。大人が止めても、名前を呼んでも、子どもたちは山に向かっていきます」
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