恐怖探偵団と真夏の神隠し
(小鳥遊の言う通り、全くわからない。勉強はこの中で一番できるはずなのに……)

誰もが当たり前にわかる感情が、麗奈にはわからない時がある。それほど人と関わる機会が少なかったのだ。俯きかけた麗奈だったが、蕾が抱き付いてきたことで気持ちが沈むことはなかった。

「猫宮?」

「えへへ。れいにゃ、キャンプに来てくれるなんて嬉しい!」

麗奈の胸が温かくなっていく。この気持ちが何か、その答えを麗奈が見つかる前に、雷亮太(いかづちりょうた)が口を開いた。

「麗奈が学校行事に参加するなんて、初めてじゃねぇか?俺らは嬉しいけどな!」

「……私も、嘘吐いて学校行事に参加するなんて初めてよ」

キャンプに参加など、麗奈の両親が許すはずがない。しかし、麗奈は恐怖探偵団のみんなとキャンプに行ってみたいと思った。そのため、「塾の合宿」と嘘を吐いたのである。

「最高の思い出作ろう!!」

麗奈に鞠が笑いかける。麗奈はゆっくりと頷いた。亮太が大きな声を上げた。
< 3 / 44 >

この作品をシェア

pagetop