恐怖探偵団と真夏の神隠し
翼にそう言われ、麗奈たちは一度亮太たちのところに戻った。麗奈は心の中で呟く。

(カレー係なんて言ってるけど、雷は味見担当でしょ)

家庭科の授業で亮太は一度も包丁を握っていなかった。そのため、麗奈は亮太も「料理できない組」だと勝手に思い込んでいたのだが、目の前にある光景に「嘘……」と思わず呟いた。

「よしッ!じゃがいもこれで最後だな!」

亮太は迷うことなくじゃがいもの皮を剥いていく。ピーラーではなく包丁で。芽はしっかりと取り、皮を丁寧に、かつ早く剥いていくのだ。その手際の良さに、麗奈はショックを受けていた。

「雷、料理なんてできたの?」

麗奈が思わず口にすると、亮太は「おう!兄ちゃんたちに教えてもらったからな!」とニカッと笑った。麗奈は負けた気がして悔しさを感じる。

「りょたちんってこう見えて家事得意だよね〜」

「将来は主夫になれるんじゃない?」

亮太の剥いたじゃがいもを切りながら鞠と桜が言う。亮太は「そうか?」と言いながらもどこか嬉しそうだ。

(なんかムカつく……!)

麗奈が静かに頰を膨らませていると、ソーセージを切っていた優斗が「そろそろ三十分経ったんじゃない?」と声をかける。翼が時計を見て「あっ」と呟いた。

「氷室、猫宮、飯盒炊爨するぞ。カレーができていても、米がないと話にならない」
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