結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました
二階の角部屋の鍵を開け、室内に入る。白い壁と明るいフローリングの1Kは特別広いわけではないが、一人で暮らすにはちょうどいい広さだ。
独立洗面台に二口コンロと、水回りの設備もひと通り整っていて、不自由はない。
整えられた室内には、あまり余計なものを増やさないようにしているが、棚に置かれた小さな観葉植物やガラスの花瓶に挿した花が、ささやかな彩りを添えている。
「……恋愛のひとつくらいしとかないと、カウンセラーとしての幅が広がらない、か」
ジャケットを脱ぎ、ベッドに腰掛けた透子は、母の言葉を思い出してため息をついた。
世の中には〝恋愛体質〟という言葉がある。恋愛感情を大切にし、人との関係において恋愛が中心になり、異性として人に惹かれやすく、恋人が絶えないタイプだ。
それでいくと透子はその対極にある〝非恋愛体質〟だ。
元々の気質もあるかもしれないが、育った環境が透子に大きく影響を与えている。
物心ついたときから、両親の仲は悪かった。
透子の記憶には、喧嘩をしているか、互いの存在を無視している両親の姿しか残っていない。だが、ふたりが大恋愛の末、結婚したというのだから驚きだ。
独立洗面台に二口コンロと、水回りの設備もひと通り整っていて、不自由はない。
整えられた室内には、あまり余計なものを増やさないようにしているが、棚に置かれた小さな観葉植物やガラスの花瓶に挿した花が、ささやかな彩りを添えている。
「……恋愛のひとつくらいしとかないと、カウンセラーとしての幅が広がらない、か」
ジャケットを脱ぎ、ベッドに腰掛けた透子は、母の言葉を思い出してため息をついた。
世の中には〝恋愛体質〟という言葉がある。恋愛感情を大切にし、人との関係において恋愛が中心になり、異性として人に惹かれやすく、恋人が絶えないタイプだ。
それでいくと透子はその対極にある〝非恋愛体質〟だ。
元々の気質もあるかもしれないが、育った環境が透子に大きく影響を与えている。
物心ついたときから、両親の仲は悪かった。
透子の記憶には、喧嘩をしているか、互いの存在を無視している両親の姿しか残っていない。だが、ふたりが大恋愛の末、結婚したというのだから驚きだ。