結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました
 やがて、お高く止まっていると言われたり、裏では遊んでいると噂を立てられるようになった。

 そうした視線にさらされるほど、透子はますます男性と関わることを避けるようになっていった。

 結婚相談所のカウンセラーをしていると、さまざまな現実を目の当たりにする。長年の恋人に裏切られたり、利用されていたり――恋に傷つき、疲れ果てた末に訪れる人も少なくない。

 そうした話を聞き続けるうちに、透子はますます恋愛に懐疑的になっていった。

 そして気づけば、28歳。彼氏どころか誰かを好きになったことすらない〝恋愛経験ゼロ女〟が出来上がった。

 婚活界隈では、女性は30前までが勝負だと言われることがある。
 透子は結婚を焦っているわけではないが、男女の仲を取り持つプロで、同年代のカウンセリングをおこなう身でありながら、まったく恋愛経験がない自分にコンプレックスを抱いていた。

 母の指摘は透子の痛いところを的確に突いたのだ。

 だからといって、積極的に出会いを求める気持ちにもならず、必要性も感じない。
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