結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました
透子は慌てて立ち上がり、口を開きかける。だが、いきなり〝今この人に脅されていました〟などと言うのははばかられ、言葉に詰まった。
迅はそんな透子を見て笑みを深めると、母に向き直った。
「お母さん、透子さんとの結婚を前提とした交際をお許しいただけないでしょうか」
「えっ……」
「真壁様?」
透子と母が声を上げたのはほぼ同時だった。
「驚かせて申し訳ありません。実は今、僕は透子さんに結婚を前提とした交際を申し込んでいたんです」
目を丸くしている母に、迅は言葉を連ねる。
「立場上、僕は誰かにはっきり否定されたり、間違いを指摘されたりする機会がほとんどありません。ですが先日、透子さんに〝視野が狭い〟と言われて、自分の傲慢さに気づかされました。相手のためを思って忖度せずに言葉を選べる——透子さんのそんなところに、強く惹かれています」
あまりの口のうまさに透子は呆気にとられる。
もちろん、透子は迅のためを思って言ったわけではない。ただ腹が立って言い返しただけだ。迅だって、そのくらい分かっているはず。
しかし彼は真摯なふりをしながら、自分に都合のいい方向へと話を導いていく。
迅はそんな透子を見て笑みを深めると、母に向き直った。
「お母さん、透子さんとの結婚を前提とした交際をお許しいただけないでしょうか」
「えっ……」
「真壁様?」
透子と母が声を上げたのはほぼ同時だった。
「驚かせて申し訳ありません。実は今、僕は透子さんに結婚を前提とした交際を申し込んでいたんです」
目を丸くしている母に、迅は言葉を連ねる。
「立場上、僕は誰かにはっきり否定されたり、間違いを指摘されたりする機会がほとんどありません。ですが先日、透子さんに〝視野が狭い〟と言われて、自分の傲慢さに気づかされました。相手のためを思って忖度せずに言葉を選べる——透子さんのそんなところに、強く惹かれています」
あまりの口のうまさに透子は呆気にとられる。
もちろん、透子は迅のためを思って言ったわけではない。ただ腹が立って言い返しただけだ。迅だって、そのくらい分かっているはず。
しかし彼は真摯なふりをしながら、自分に都合のいい方向へと話を導いていく。