冷徹営業トップは私の限界オタクでした

第20話「この気持ちは、なんと言ったらいいのですか? 」

平日は、お互い仕事に無理のない範囲でランチへ行く。
土曜日にそう約束してから、初めての月曜日。
陽菜子が出勤すると、経理部の入り口に神崎が立っていた。

「春宮さん、おはようございます」

「神崎さん、おはようございます。朝からどうしたんですか?」

「今日もお会いできて嬉しいです。あと、今日も世界一可愛いですね」

「ふふっ。朝からありがとうございます」

陽菜子はもうすっかり慣れた様子で笑った。
以前なら、そんなことを言われれば戸惑っていたはずなのに。
神崎が自分を『推し』だと知った今では、これも彼なりの挨拶なのだと思っている。

「今日は、お昼どうですか?」

「はい、ぜひ」

陽菜子は満面の笑みで答えた。

「……っ」

神崎は一瞬胸元を押さえた。

「どうしました?」

「いえ。朝から素晴らしい笑顔をいただいたので、少し寿命が縮んだだけです。」

「それ、大丈夫じゃないですよね?」

「本望です。」

「本望じゃ困ります。」

陽菜子はくすくすと笑った。

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