難攻不落な御曹司の独占欲と愛に蕩される
兄の友人達が兄を見つけ集まってくる。

「貴文、今日は麗華嬢のお目付け役か?」

「うちのお姫様に余計な虫がつくと困るからな。半径1メートル以内に近寄るなよ」

友人らを牽制する兄に、私を含め皆、苦笑していた。

そこから、兄と友人らは談笑が始まり、私も話に加わっていたのだが、愛想笑いに疲れてきた為、離脱することにした。

「お兄様、私、お手洗いに行ってきます」

「一緒に行こう」

過保護過ぎると、皆が頬を引き攣らせる。

「ついてきてもらっても困ります。私、もう、18ですよ。お手洗いぐらい一人で行けます」

「そういうことじゃない。大丈夫か?」

「すぐそこですよ。すぐ戻ってきます」

兄はそれでも心配そうだったが、会場を出たのだ。

お手洗いを通りすぎて、会場入りする前に見えた庭園へ向かった。

ライトアップされた庭園の木々や花達は、雨に濡れていても美しく、晴れていれば散策したいと思う。

軒下で壁に寄りかかり息をついた。

「ふー、疲れた」

兄のように心から打ち解けた友人などいない私には、息苦しさだけしか感じない社交界デビュー。

小さい頃は、何も知らずに仲良くしていた友達らしき人もいた。だが、中学に上がると見えてくる打算的な思惑は、西園寺という家の恩恵にあずかろうとする人々から感じ取れて、上辺だけの付き合いに留めている。
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