難攻不落な御曹司の独占欲と愛に蕩される
先程も、兄に近寄りがたい為だけに、友人のように話しかけてくる名前も覚えていない同級生に、ウンザリしていた。
手を伸ばし、軒先から落ちてくる雨を手のひらに受け止めて遊んでいたら、声をかけてくる人物に顔を顰めかけた。
「西園寺さん」
が、そこは仮面を被って西園寺家の令嬢として振る舞う。
「どちらさまですか?」
「失礼しました。僕は小鳥遊家の長男、小鳥遊 遼と言います」
頭の中で記憶を探ると、両親共、表面的に付き合いのある家の息子だと理解した。
「あっ、お噂は父と母から伺っています。同じ大学だそうで、まだ、大学ではお会いした事ありませんでしたね」
だから、馴れ馴れしくするなと牽制するのだ。
「本当ですか。どんな噂だろう?いい噂だと嬉しいのですが…僕は、経営学部に在籍しているので、割と目立つと思うんですけど、西園寺さんは、どちらの学部です?」
自信満々の顔つきや話し方が、好きになれない
と、内心思う。
「まぁ、経営学部ですか⁈将来は小鳥遊を背負っていかれる方は違うんですね」
手を叩いて、尊敬したように褒めると、勝手に自分自慢しだす。
「まぁ、小さな頃から、小鳥遊家を継ぐ為に英才教育を受けてきましたからね。勉強もスポーツも僕に敵う奴なんていません」