難攻不落な御曹司の独占欲と愛に蕩される
男も女も生まれを誇る人らは、自尊心の強い傾向がある。
彼もそのうちの一人のようだ。
「まぁ、そうなんですね。それだと小鳥遊さんとお近づきになりたい方々が、あちらで戻られるのを待ってらっしゃいますよ」
さっさと行ってほしいと追い払っているのだが、空気の読めない男は、居座ろうとする。
「気にしなくて大丈夫ですよ。僕は、西園寺さんと話がしたくて追いかけてきたんです」
容姿に自信があるようで、髪をかきあげて視線を向けてくるが、はっきりいって気持ち悪い。
普段から男性と関わる事の少ないお嬢様なら、素敵と頬を染めるかもしれない。
だが、才色兼備の兄を見て育った私には、なんの魅力も感じないのだ。
一人になりたくて抜け出してきたのに、面倒な男に絡まれるぐらいなら、大人しく兄の横で作り笑いをしていればよかったと後悔した。
困った…
どうしよう…追い払おうか?逃げるようか?
最悪、軒下から抜けて、濡れる覚悟を決めた。
「ごめんなさい。私、そろそろ戻らないと」
「そんなこと言わずに、少し話しましょう」
道を塞いでくる小鳥遊の背後に、背の高い人影が現れた。
「失礼、どいてくれないか?」
振り返る小鳥遊は、自分よりも背の高い男性に驚いている。