難攻不落な御曹司の独占欲と愛に蕩される
そして話かけられた彼も続いて振り返り、隣の男と会話しながらも、周囲を観察している。
彼は、落ち着きのある佇まいで、スーツを着崩す事もなく、身なりをきちんとしている。センター分した髪は緩めのパーマーをかけているが、サイドへ流していて好印象を受ける。
彼らの周りに、女性達が輪を作り集まっていく。
なぜだか、胸の奥がモヤモヤしていて、面白くないと思ってしまうのは、どうしてだろう?
「麗華、麗華」
目の前を大きな掌が上下に動き、邪魔をしてくる。
「お兄様、邪魔しないで」
少し強めの口調に、目を大きく開けた兄が驚き顔で固まった。
そして、私の視線の先を辿っていき、確認するように二度見をして、目の前に立ち塞がり視界を遮ってしまった。
彼が見えなくなり、お兄様を見上げて睨む。
「まさか、あの2人を見てないよな?」
そのまさかです。
「もう、お兄様、彼が見えないからどいて」
答えないことで認めたと判断した兄は、首を左右に振っていた。
「あの2人は、ダメだ。社交界の仲間入りをしていても、お前に相応しくない。歴史が浅い家の男なんて、ロクな奴じゃない。やめておけ」
「お兄様、それは偏見です」