難攻不落な御曹司の独占欲と愛に蕩される
「偏見なんかじゃない。弟の方はビリヤードやダーツをするサークルを作ったようだが、いい噂は聞かない。あの見た目通りチャラチャラした男だろう」
それには、同意見だ。
「兄の方は、俺よりも四つ歳上だ。今でこそ落ち着きのある男に見えるが、大学卒業するまでは、金髪で耳にピアスをいくつもしているような軽薄な男だ。夜の街のあちこちで、悪い事をしていると噂があった。その割に、首席で卒業した男なのが、腹立たしいんだが、兎に角、あの2人はダメだ。うちとは、家格が違う」
一気に捲し立てて話した兄は、私の肩を掴んで説き伏せようとしている。
だが、素直に頷けない。
少し前の私なら、兄の言うことに素直に頷き、従っていただろう。
反対されればされるほど、彼が気になってくるし、兄の話の内容だけで、彼の事を素敵だと思う。
今の彼も素敵だが、彼の金髪、ピアス姿も似合っていてかっこよかったのだろうと想像し、見てみたかったと思った。
「家格なんて考え古臭いです。何がダメなんですか?お兄様が反対しても、私、彼がいいんです」
「はっ?何を言ってる?」
「彼にお付き合い申し込んできます」
聞き間違いではと、兄が友人らに確認しているが、間違いじゃないとわかると、慌てだす。