難攻不落な御曹司の独占欲と愛に蕩される
「つ、付き合う?申し込んでくる?麗華、熱でもあるのか?」
「平熱です。あっ、彼が…」
輪の中から抜けて動き出した彼を見つけた。
「お兄様、邪魔すると口聞きませんよ。私、行ってきます」
ショックで放心する兄を振り切り、追いかけていく後ろで「兄の方らしいぞ」と友人らが兄に教えている声が聞こえた。
会場を出ていく際に、ポケットからスマホをだす様子を見ていた。
きっと、そう遠くへは行っていないと辺りを見回す。
ロビーにあるソファで腰を下ろして、優雅に長い足を組んでいる様子は、雑誌の表紙のモデルのようだ。
話し終わるのを待つつもりで、彼の対面のソファに腰を下ろした。
少し険しい表情だった彼が、私に、視線を向けて眼差しが柔らかくなる。
それだけで、胸が苦しくてドキドキしてくる。
あぁ…これが、一目惚れというものなのだと胸を押さえ、目を伏せた。
通話を終えた彼が、組んでいた長い足を解いて、ソファに肘をつきこちらを見ている視線に顔をあげた。
「お嬢さん、僕に何の用事かな?」
高くもなく低くもない耳に心地いい声が、耳から足先まで甘くざわめく。
「私、西園寺 麗華と言います。先程は助けて頂きありがとうございました」