君と迎えるクランクアップ
エピローグ:世界で一番の発表
ドラマのクランクアップから数ヶ月が経ち、季節は巡り、ふたりは新たな一歩を踏み出すことを決めた。
ある日の夜遅く。
世間が静まり返る中、早乙女優愛の公式SNSアカウントが突如として更新された。
それは、いつもの撮影現場のオフショットでも、新クランクインのお知らせでもない。
アップされたのは、飾り気のない一枚の写真と、短い文章だった。
【ご報告】
いつも応援してくださるファンの皆様、関係者の皆様へ。
私事ではございますが、本日、かねてよりお付き合いしていた方と入籍いたしましたことをご報告させていただきます。相手は、私のデビュー当時からずっと、公私ともに隣で支え続けてくれた専属マネージャーであり、そして――幼なじみでもある方です。
いつも不器用な私を一番近くで見守り、どんな時も味方でいてくれた彼と、これからは人生のパートナーとして手を取り合って歩んでいくことになりました。女優としても、ひとりの人間としても、より一層精進してまいりますので、温かく見守っていただけますと幸いです。
早乙女優愛
投稿が公開された瞬間、静まり返っていたネットの海が、まるで巨大な津波が起きたかのように激しく揺れ動いた。
『え……? えっっっ!?』
『待って、情報量が多すぎて頭が追いつかないんだが……!!』
『女優・早乙女優愛が結婚!? 相手、一般人……じゃなくて専属マネージャー!?』
『しかも幼なじみってどういうことだよ……少女マンガのリアルガチ版じゃん!!!』
『「あなたのイチバンになりたくて。」って、ドラマのタイトルそのまま回収してるのガチで鳥肌立つんだが……!』
『女優×マネージャーの禁断の恋とか最高すぎるでしょ……末永く幸せになってくれ……!!!!』
トレンドの1位から10位までが、優愛の結婚に関するワードで完全に埋め尽くされた。
あまりの反響の大きさに、スマホの通知音が鳴り止まない。
「おい、ネットが大変なことになってるぞ」
リビングのソファでコーヒーを飲みながら、塁がスマホの画面を見せて苦笑いする。
その隣で、優愛はくすくすと楽しそうに笑いながら、塁の肩にコテンと頭を預けた。
「ふふっ、すごい勢いだね。みんなびっくりしてる」
「びっくりするだろ、いきなりあんな文面でぶっこんだんだから」
「だって、隠す必要ないもん。私を一番近くで支えてくれた『イチバン大切な人』なんだから、世界中に自慢したかったの」
少し照れくさそうに、でも誇らしげに微笑む優愛の横顔。
スマホの画面の向こうでは世界中が大騒ぎしているけれど、このリビングの温度はどこまでも温かくて穏やかだった。
「さてと……旦那さま?」
優愛が上目遣いで、悪戯っぽく唇を端を持ち上げる。
「なんだよ、妻さま」
「これからのスケジュール管理、もっと厳しくしてあげるから覚悟しといてよね。私の旦那なんだから、私以外の仕事で忙しくしちゃダメなんだから」
「はいはい、承知いたしました、大人気女優の旦那さま」
笑い合いながら重ね合わせたふたりの薬指には、お揃いのシンプルな結婚指輪がキラリと優しく光っていた。
ドラマの台本にはなかった、ふたりだけの最高のハッピーエンドは、ここから永遠に続いていく。
ある日の夜遅く。
世間が静まり返る中、早乙女優愛の公式SNSアカウントが突如として更新された。
それは、いつもの撮影現場のオフショットでも、新クランクインのお知らせでもない。
アップされたのは、飾り気のない一枚の写真と、短い文章だった。
【ご報告】
いつも応援してくださるファンの皆様、関係者の皆様へ。
私事ではございますが、本日、かねてよりお付き合いしていた方と入籍いたしましたことをご報告させていただきます。相手は、私のデビュー当時からずっと、公私ともに隣で支え続けてくれた専属マネージャーであり、そして――幼なじみでもある方です。
いつも不器用な私を一番近くで見守り、どんな時も味方でいてくれた彼と、これからは人生のパートナーとして手を取り合って歩んでいくことになりました。女優としても、ひとりの人間としても、より一層精進してまいりますので、温かく見守っていただけますと幸いです。
早乙女優愛
投稿が公開された瞬間、静まり返っていたネットの海が、まるで巨大な津波が起きたかのように激しく揺れ動いた。
『え……? えっっっ!?』
『待って、情報量が多すぎて頭が追いつかないんだが……!!』
『女優・早乙女優愛が結婚!? 相手、一般人……じゃなくて専属マネージャー!?』
『しかも幼なじみってどういうことだよ……少女マンガのリアルガチ版じゃん!!!』
『「あなたのイチバンになりたくて。」って、ドラマのタイトルそのまま回収してるのガチで鳥肌立つんだが……!』
『女優×マネージャーの禁断の恋とか最高すぎるでしょ……末永く幸せになってくれ……!!!!』
トレンドの1位から10位までが、優愛の結婚に関するワードで完全に埋め尽くされた。
あまりの反響の大きさに、スマホの通知音が鳴り止まない。
「おい、ネットが大変なことになってるぞ」
リビングのソファでコーヒーを飲みながら、塁がスマホの画面を見せて苦笑いする。
その隣で、優愛はくすくすと楽しそうに笑いながら、塁の肩にコテンと頭を預けた。
「ふふっ、すごい勢いだね。みんなびっくりしてる」
「びっくりするだろ、いきなりあんな文面でぶっこんだんだから」
「だって、隠す必要ないもん。私を一番近くで支えてくれた『イチバン大切な人』なんだから、世界中に自慢したかったの」
少し照れくさそうに、でも誇らしげに微笑む優愛の横顔。
スマホの画面の向こうでは世界中が大騒ぎしているけれど、このリビングの温度はどこまでも温かくて穏やかだった。
「さてと……旦那さま?」
優愛が上目遣いで、悪戯っぽく唇を端を持ち上げる。
「なんだよ、妻さま」
「これからのスケジュール管理、もっと厳しくしてあげるから覚悟しといてよね。私の旦那なんだから、私以外の仕事で忙しくしちゃダメなんだから」
「はいはい、承知いたしました、大人気女優の旦那さま」
笑い合いながら重ね合わせたふたりの薬指には、お揃いのシンプルな結婚指輪がキラリと優しく光っていた。
ドラマの台本にはなかった、ふたりだけの最高のハッピーエンドは、ここから永遠に続いていく。