喪失の夜に、あなたがいた
第22章:明莉の答え
楓の言葉が胸の奥で静かに響いていた。

「契約じゃなくて、僕自身の気持ちで」
 「あなたを守りたい」
 「ゆっくり考えてくれていいですよ」

その優しさが、明莉の心をそっと包み込んでいた。

佑輔の願い。
 楓の涙。
 楓の叫び。
 そして今の告白。

その全部が、
 胸の奥でひとつの線になっていく。

(……楓さん……)

名前を呼ぶだけで、
 胸がじんわりと熱くなる。

明莉はゆっくりと息を吸った。

痛みはまだある。
 身体にも、心にも。

でも──
 昨日までとは違う。

胸の奥に、
 小さな灯りが確かに灯っている。
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