この恋、上方修正銘柄です!

10-2

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 夕食後、スマホでニュースをチェックしていると、あるトピックスが上がっていた。
「あ、柿本社長、また出てる」
 片付けを済ませた九条が冷蔵庫から缶ビールを2つ取り出して、
「今更やけど、亀山くん、お邪魔してます」
と水槽に挨拶した後、プルタブを開けた缶を錦に渡してスマホを覗き込んだ。
 付き合い始めてからというもの、九条は当たり前のように錦の家に入り浸っている。

「セレブも愛用。茶筒の老舗メーカー、世界的評価を受ける、か。世界のKAKIMOTO、要注意先から優良先に上方修正やな」
「そういえば、京極さんが九条くんのこと、すごく褒めてた」
「そうなん?何で直接褒めてくれへんねんやろ。銀行員、よう分からんわ」
 L字型の広いカウチソファに座る錦にぴたっとくっついて座った九条に、
「近い……」
「大丈夫、高辻のすっぴん普通に可愛いし。肌もつるっつるで」

 食事前に入浴は済ませているので二人ともお家モードだ。
「つかビフォーアフターであんま変わらんし」
「真由子が言うにはメイクが下手過ぎるんだって」
 流行りのメイクやブランドコスメに興味がないのだから仕方がない。
「日本人、色々頑張り過ぎやねん。向こうでスウェーデンの子と付き合ったことあるけど、全然化粧してなかったもんな。写真見る?」
「見ない」
「あ、俺から行ったんちゃうで。お試しでええからって向こうが。モテる男が彼氏で良かったな」

 前半はともかく、彼氏、という響きに頬が緩む。
 確かに昔から老若男女問わず九条はモテていた。先ほどの柿本社長など今や完全に九条のファンで、地域の夏祭り用に九条の顔がプリントされたうちわを作ると言い出し社員に止められていた。

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