この恋、上方修正銘柄です!

2-2

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 その後もう一件の金消契約を終わらせ早めの昼食を済ませた後、九条と二人で電車に乗り、駅からは徒歩で目的地へ向かった。
「この辺りは合同庁舎跡地へと続く区の文化ゾーンで、広大な歴史公園の中には美術館や市立図書館があります」

 高校生の頃によく歩いたコースだから懐かしい。
 合同庁舎の移転が影響しているのか、昔に比べるとケヤキの並木道も寂れた感がある。
 奥に見える図書館は、ゴシック様式のレトロな建築物だ。高いアーチ窓と、壁を這う年季の入った蔦が重厚な雰囲気を醸し出している。

「ついでにこの辺の美味しいランチでも食べに行こうと思ってたのに。会社の近所だと、どこがおすすめ?もしよかったら今度一緒に行かない?」
「……就業規則で会社の中で食べなくてはいけないと決まっているんです。こうして平日の昼間に外に出ること自体久しぶりです」
「オートロック式の分厚い鉄製の通用口扉。一度入ったら帰る時間まで出られない。ちょっとした牢獄だな」
 外資系企業からすれば、銀行業界の当然は異質に映るだろう。
「ちなみに社食のイチオシって何?今日のお礼にご馳走させてよ」
「いえ、お気持ちだけで結構です。タワーマンションが建つ予定だったのはこの先です」
「安定の塩対応……エモい」
「え、何か言いました?」
「いやいや、何でもない」

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