この恋、上方修正銘柄です!
10-3
10-3
翌日、土曜朝9時。
錦と九条は、他には誰もいない職場にいた。
「え、何のために室長権限行使して休日出勤したかって?高辻とオフィスでヤろうかなと思って……っていうのは嘘で、ごめんごめん、引かんといて」
「甲斐課長の冤罪を晴らすための証拠探しを手伝ってくれるんだよね」
「It's no use crying over spilt milk. 後悔先に立たず。ん、後?いや、先で合ってるやんな。とにかく、今、出来ることを考えて行こ!」
「……うん」
「で、とっとと証拠を見つけて俺の席で……ああ、いや、冗談です冗談」
九条はホワイトボードを引っ張ってきてペンを取り、くるくるっと回すと、
「一旦整理するで。当時データのエクスポート権限があったんは課長代理以上で、尚且つ彼らは一般行員より就労時間が長く証拠捏造しやすい。ということで、今回は役職ありのメンバーに絞ろうと思う。まず、パワハラ久我は関連会社に出向中。土屋融資課長代理は退職。鹿ヶ谷次長、醒ヶ井渉外課長と京極渉外課長代理、堺預金課長は今もこの本店営業部におる、と」
伸びやかで、意外と綺麗な字で名前を書き記していく。
「高辻文書によると、醒ヶ井渉外課長はシロか」
「十戒の一つに嘘で人を陥れないというのがあるでしょ。醒ヶ井渉長、厳格なクリスチャンだから」
醒ヶ井渉外課長の名にチェックを入れる。
「この退職した土屋融資課長代理っていうのが、昨日言ってた第一発見者の人やんな」
「土屋さんは一番ショックを受けてたと思う。私と紫野さんは、直接現場を見たわけじゃなかったから……。土屋さんも、甲斐課長は無実だと一緒に訴えてくれてたの。会社への不信感や失望感で、仕事を続けられなかったんだと思う」
「歓迎会の時の紫野さん、めっちゃピリピリしとったもんな。第一発見者の一人で、しかも仲が良かった同期が辞めてその後釜に自分が収まったとか、そりゃキツイわな」
土屋の名前にも同様の印。
「で、昨日の話、久我は絶望的な機械オンチ、と」
久我の名前にもチェックつけてペンの蓋をしめた。
翌日、土曜朝9時。
錦と九条は、他には誰もいない職場にいた。
「え、何のために室長権限行使して休日出勤したかって?高辻とオフィスでヤろうかなと思って……っていうのは嘘で、ごめんごめん、引かんといて」
「甲斐課長の冤罪を晴らすための証拠探しを手伝ってくれるんだよね」
「It's no use crying over spilt milk. 後悔先に立たず。ん、後?いや、先で合ってるやんな。とにかく、今、出来ることを考えて行こ!」
「……うん」
「で、とっとと証拠を見つけて俺の席で……ああ、いや、冗談です冗談」
九条はホワイトボードを引っ張ってきてペンを取り、くるくるっと回すと、
「一旦整理するで。当時データのエクスポート権限があったんは課長代理以上で、尚且つ彼らは一般行員より就労時間が長く証拠捏造しやすい。ということで、今回は役職ありのメンバーに絞ろうと思う。まず、パワハラ久我は関連会社に出向中。土屋融資課長代理は退職。鹿ヶ谷次長、醒ヶ井渉外課長と京極渉外課長代理、堺預金課長は今もこの本店営業部におる、と」
伸びやかで、意外と綺麗な字で名前を書き記していく。
「高辻文書によると、醒ヶ井渉外課長はシロか」
「十戒の一つに嘘で人を陥れないというのがあるでしょ。醒ヶ井渉長、厳格なクリスチャンだから」
醒ヶ井渉外課長の名にチェックを入れる。
「この退職した土屋融資課長代理っていうのが、昨日言ってた第一発見者の人やんな」
「土屋さんは一番ショックを受けてたと思う。私と紫野さんは、直接現場を見たわけじゃなかったから……。土屋さんも、甲斐課長は無実だと一緒に訴えてくれてたの。会社への不信感や失望感で、仕事を続けられなかったんだと思う」
「歓迎会の時の紫野さん、めっちゃピリピリしとったもんな。第一発見者の一人で、しかも仲が良かった同期が辞めてその後釜に自分が収まったとか、そりゃキツイわな」
土屋の名前にも同様の印。
「で、昨日の話、久我は絶望的な機械オンチ、と」
久我の名前にもチェックつけてペンの蓋をしめた。