この恋、上方修正銘柄です!

「ありがとう、すごく参考になった」
「良かった……役に立てて」
「じゃあ、僕、早速本屋に行って来る。九条君はどうするの?」
「ああ、俺はちょっと涼んで行くわ」
 図書館を後にする佐藤を見送りながら、九条が意味深な表情で、
「ほうほう、なるほどなあ、そう来るか」
「……言いたい事があるならはっきり言えば?」
「佐藤有朋(さとうありとも)。元中等部の生徒会長。学年主席をキープし続ける秀才で、開業医の息子。誰にでもフラットに接することが出来るエエ奴。佐藤と高辻、秀才カップルか。頑張りや」
「ち、ちょっと!そんなんじゃ……!」
「安心し、誰にも言わへんから。その代わり公共の課題は任せた」
「……脅迫するつもり?」
「ほら、Give and take。持ちつ持たれつ、って言うやろ」
「それ、私が持つばっかりにならない?そもそも勉強は赤点を取らないためじゃなくて、自分のためにするものです」
「ははっ、オカンか。てか、結婚したら佐藤錦やん。なんかさくらんぼ食べたくなってきた」

 佐藤と話せたドキドキ感が、九条のせいでどこかにいってしまった。
「そや、せっかくやしさっき勧めてた中から今日の読み聞かせの本選ぼうや。俺、かげぼうしの話聞きたい」
「良いけど、泣かないでね。また子ども達に笑われても知らないから」
「平気平気。そういうの気にせえへんから俺」
 私が気にするの、と心の中で呟いた。

 
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