この恋、上方修正銘柄です!
いつかの真由子も同じようなようなことを言っていた気がする。家事分担は夫婦にとって永遠のテーマらしい。とはいえ。
「私からしてみれば、彼氏は?結婚は?って聞かれないだけ羨ましいけど」
「甘い!独身のうちは、相手いるの?と聞かれ、いたらいたで、いつ結婚するの?したらしたで今度は、子どもはいつ?一人産んだら次は、二人目のご予定は?どこまでも追っかけて来るから錦も気をつけな」
既婚者の話を聞いていると、結婚に対する夢や希望がどんどん失われていく気がする。二人それぞれの理由で、ふーっと溜息をついて、食事を再開する。
幸せのバロメーターが回復してきたらしい綾乃が、マカダミアナッツがかかった生クリームをパンケーキに載せながら、
「それで、九条ってば、そんなにスゴイの?」
「うちの部長より確実に仕事が出来ると思う。さすがアベル&カンパニーのトップティアだって、みんな褒めてる」
「へえ、あの九条がねえ〜。けど、錦だってスゴイじゃん。在学中に税理士試験に合格して、大手銀行に就職してさ」
「資格なんて勉強すれば取れるから」
「もー前から思ってたけど、錦は自分に厳し過ぎ。もっと自分を評価してあげても良いと思うけどなあ」
モグモグと口を動かして、
「それで?あとどの位、九条は銀行員するの?」
「えっと、2ヶ月位かな」
答えながら改めて、この現状には期限があったことを思い出す。
「ん、どしたの?食べないならいただきっ!」
ポテトとカナディアンベーコンのオムレツ目掛けて飛んで来たフォークを間一髪、ナイフで防いだ。