この恋、上方修正銘柄です!

6-2

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 入り口には既に人だかりが出来ていて、開店時刻きっかりに自動ドアが開いた。
 店内では売り場ごとに店員が立ち、いらっしゃいませとお辞儀をしている。 

「……土曜の朝7時に電話してきて、一体何の用かと思ったら」
「市場調査や」
 どうやら建設予定の商業施設と競合するショッピングセンターの視察ということらしい。
 スーツ姿はイケてるのに私服は残念なサラリーマンが多い中、オフの九条も格好良い。
 七分袖のグレーのサマージャケットに、インナーには白いシャツ。ブラックのジョガーパンツにハイカットの白いスニーカーを合わせたカジュアルなスタイルだ。

「オープンと同時にショッピングセンターに入店したのなんて初めて」
「朝イチの雰囲気をどうしても見ておきたくてな。ちゃんと眼鏡じゃなくてコンタクトにして来たな、えらいえらい」
「コンタクトを指定して来た件も含めて、私を誘う必要があったのか疑問なんですけど」
「またまた~、休みの日まで俺に会えて嬉しいくせに」
「トテモウレシイデス」
「まさかの棒読み!?」

「そういえば、先週タクシーで送ってもらった時も思ったけど、九条くんはどこに住んでるの?」
 九条は施設案内のパンフレットを手に取りながら、
「ホテル暮らし。最初はウィークリーマンションにでも引っ越そうと思ってたけど、探す気力がなくてズルズルと。このセカンドメントが終わったらLA支社に戻るから、まあエエかって」
「……そうなんだ」
 今後も今の事業に関わって行くという話から、なんとなく東京支社に配属になるのかと思っていた。

「あ、その顔、もしかして淋しい?」
 嬉しそうな九条から顔を逸らして、
「……あと一月半ほどで元の生活に戻るんだなって思っただけ」
「つまり淋しいってことやろ?素直に言ってくれたら、俺も色々考えるのにー」 

「……本当は、淋しい」
「え」
「正直に言った。それで、九条くんが考える色々って、何?」
「いや、何この新しいパターン……急にデレられて詰められても、耐性ないからムリ。とりあえず、本館から」


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