この恋、上方修正銘柄です!
「え、壬生君!?」
「ウソ、渉やん!」
「ハハッ、二人とも元気そうじゃん」
「久しぶり!向こうで会った以来やな、元気やったか!」
日本人男性の平均身長ほどの壬生に、九条は上からガシッと抱き付いて、
「あーもう、この抱き心地、懐かしい!」
「ちょ、ケツ触んな、離せこのヘンタイ!相変わらずムダにデカイし!」
壬生に対しての友情は相変わらずゼロ距離らしい。
今観ている海外ドラマが名探偵と助手のブロマンスもので、九条と壬生を連想していることは言わないでおこうと思う。
壬生は鬱陶しそうに九条の腕を振り払うと、
「こっちに帰って来るってトコまでしか聞いてねえんだけど。戻ってるんなら連絡くらいしろよ」
「ごめんごめん、ちょっとバタバタしててな」
「高辻も久しぶり。最初誰か分かんなかったわ、超絶可愛すぎて。街で見かけたら絶対二度見するレベルだし。後でLINE交換しよ?」
怯んだのは、高校時代の壬生ならこんな軟派なことは言わなかったからだ。
やはり恋愛スキルを確実に上げてきている。昨年流れた二股報道も案外事実なのかもしれない。実際、九条も不機嫌そうに眉を寄せている。
「つか、悪りい!もしかしてお前ら付き合ってる?デートだった?」
「まさか。今日は九条くんに無理矢理連れて来られてこんな格好してるけど、普段は地味な銀行員だから」
「……何その通常モード。ちょっとくらい、えっ!とか赤面!とかあっても良くない?大体、無理矢理って何やねん。……ああ俺、今高辻の勤めてる銀行で仕事してて。今日もその一環。渉は?」
「主催会社、うちのクラブのスポンサー。チームの奴ら数人で来てる。あとで紹介するけど、その前に、腹減った。何か食おうぜ」
「ハハッ、燃費の悪さは高校時代と変わらんな。せっかくやし、みんなで写真撮ろうや」
「九条って昔っからそういうの好きだよなあ」
ええからほら、と自撮りすべく九条がスマホを持った腕を伸ばす。
「ルート4は?」
「は、なにそれ分かんね」
「2や、ニッ!」