この恋、上方修正銘柄です!

 神社は初詣客で賑わっている。
 4人で長い列に並んで、ようやくたどり着いた社殿にて。

「賽銭を入れて、二礼、二拍手、と。小川と高辻が第一志望の大学に合格しますように。渉がJリーガーになれますように。そして俺は、幸せな人生を送れますように」
「……なーんか一人だけ、アバウトな人がいるんですけど」
「願いに見合う対価、さっきの小銭じゃ足りなくない?」
「いやいや、神さんは太っ腹なんやで。ほな次、おみくじ引きに行こ。今年最初の運試しや」
「私はやめとく。凶が出たら嫌だし」
「もー正月早々ノリ悪いなあ、ジブン。そや、冬休み、4人で日帰りスキー行かへん?俺、滑るの結構得意」
「九条、ウチらが受験生ってコト、分かってて言ってるんだよね?」
「オマエが滑るのはネタだけで良いんだよ」

 と、壬生が雑踏の中に見知った顔を見つけたらしく。
「あそこにいるの中尾じゃね?ほら、中1の時に転校してった。おーい、中尾ー!」
「え、どこどこ?……あ、ホントだ!中尾っち~!」
 だがその中尾という男子は壬生らに気付かず、露店の方へ歩いていく。
「オレ、ちょっと行ってくるわ」
「あー待って、私も!」

 中尾を追う二人の背中を見ながら、
「九条くんも綾乃達と同じクラスじゃなかった?」
「あー……俺はええねん。中尾とは、過去にトラブルがあってな」
「トラブル?」
「アイツの彼女が俺のこと好きになったとかで……。言うとくけど、俺から手え出したんちゃうからな」
「はいはい……」

 
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