ひとりぼっちの上司と私

「ありがとうございます。須田さんのお陰で、なんだか吹っ切れました」
『いや、こっちこそ。……お前の役に立てたなら、過去に挫折した経験も無駄じゃないと思えるよ。ありがとな』

 穏やかな中に、少しの切なさを感じる言葉だった。彼の過去の痛みが伝わってくるようで、胸に微かな痛みが走る。

「そんな、私はなにも……」
『これからも、なにかあったら頼ってくれて構わないから。仕事のことはもちろん、プライベートの悩みも遠慮なく打ち明けてほしい』

 ……プライベートも?

 反射的にドキッとしてしまったが、須田さんは優しい上司であり、かつゲーム仲間。その関係性の延長で言ってくれているんだよね。私が勝手に意識しているから、胸が高鳴るだけで……。

 期待するなと自分に言い聞かせるものの、こうして彼と話しているだけで加速する想いがあった。

 部下でもゲーム仲間でもない、彼の大切な人になるにはどうしたらいいんだろう。

「わかりました。あのっ……できれば須田さんも、同じようにしてください」
『ん? 同じように……?』
「私じゃ頼りないかもしれないんですけど、その……悩みとかあったら、聞きます。仕事では、須田さんが私に教えを乞うなんて事態にはならないでしょうけど、ゲームのこととか……プ、プライベートのこと、とか」

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