ひとりぼっちの上司と私
彼の心に落ちる影

 翌週半ばの水曜日、私は社長室に呼び出されていた。

 地元めしシリーズは残すところ工場に依頼している微調整箇所の確認と、社長、須田さんの監修を待つのみとなったが、社長はどうやら新たに私に頼みたい仕事があるらしい。

『入社してからある程度成長した時期に、社長からロックオンされて色々頼まれるのは、商品企画部のみんなが通る道なの。加納さんが期待されてる証拠だから頑張って』

 我妻さんにそう背中を押され、緊張しながらも社長室にやってきた。

「やあ、いらっしゃい。ちょっとこっちに来て、一緒に回してほしいガチャがあるんだ」

 社長室に置かれたガチャマシーンのレバーを回した社長が、取り出し口から出て来たカプセルを手に取る。

 過去に何度か発売されているおみくじ系ガチャのひとつで、小瓶に閉じ込められた動物モチーフのかわいいゆるキャラが、恋愛に関する格言やアドバイスの書かれたラブレター型のおみくじを持っている。

 社長がカプセルを開け、透明なフィルムを破って中身を取り出す。

 小瓶の中にいたのは尻尾に赤いリボンを巻いたかわいい黒猫だった。

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