ひとりぼっちの上司と私

 彼が言葉を重ねるたびに、胸に光が灯る。春の陽射しみたいに温かくて、やわらかい光。

 この感覚は、須田さんが相手だからこそ生まれる特別なものだと思う。

 上京してからずっと迷子のような孤独を抱えていた私を、この優しい光が、正しい方へと導いてくれたんだ。

 目を閉じると、彼に助けてもらったいくつもの出来事が頭の中に浮かんで、ひとつの気持ちがようやくはっきりと輪郭を持つ。

 ――私、須田さんが、好きだ。

「今の距離がもどかしいって思っているの……私、同じです。日曜日、たくさん教えてください、須田さんのこと」

 勇気を出して、素直な思いを告げる。顔から火が出そうなほど恥ずかしかったけれど、彼ならきっと受け止めてくれると思えたから。

『ああ。……約束だ』

 鼓膜を優しく揺らす声に、胸がときめく。自覚したばかりなのに、彼への気持ちが加速して止まらない。

 その夜は電話を切った後も、昂った気持ちがなかなか収まらなかった。

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