ひとりぼっちの上司と私
「じゃあ、俺の方にも送って」
「はい。あの、あまり人に見せたりとかは……」
「わかってる。というか、もったいなくて見せられない」
彼はまるで大切な宝物について話しているみたいで、胸がじんと熱くなる。
写真を送り終わると、いざタワーの入り口から中へ入る。チケットは事前にWeb購入を済ませていたので、すんなりとエレベーターの方へ案内された。
「昔来た時とずいぶん変わってる。水族館はなくなってしまったんだな」
「水族館か……。地元にも古いけど立派な水族館があって、子どものときは連れて行ってもらえるのが楽しみでした」
「そう言われてみれば、俺もだ。しかし、動物園でも水族館でも、三歳下の弟の方が興奮してたな。水槽の前からじっと動かずにいつまでも生き物を観察してた。興味対象のことはとことん突き詰める姿勢が、今の仕事にも生きているのかもな」
「弟さん、お仕事はなにをされてるんですか?」
「そういえば言ってなかったか。弟はゲームクリエイターで、ゆうメロの大部分の開発と製作にかかわってる。俺があのゲームを始めたのも弟に勧められたからで」
「えっ」