ひとりぼっちの上司と私
「とっても僕好みのいじらしいやり方だから、加納さんにも自慢したくなったんだよ。僕がいつ、ラブレター入りのガチャを引くかもわからない。もしかしたら、社長室にやってきた他の人間が引いてしまうかもしれない。それでも、僕はちゃんときみの気持ちを引き当てた……。こういうの、運命って言うんだろうね」
「も、もういいですから! 今は加納さんと須田さんの話を……!」
長年、一途な想いを積み上げてきたのは我妻さんの方でも、それを受け取った社長の方がむしろ彼女を溺愛しているようだ。
私の存在を忘れてしまったかのように甘い目で彼女を見つめる社長は、新商品企画を思いついた時のように生き生きしている。
とても仲睦まじそうな彼らを見ていたら、なんだか勇気が湧いてきた。
私はまだ、須田さんにちゃんと告白していない。社長に想いを引き当ててもらう前の、我妻さんと同じだ。
……気持ちが届けば、なにかが変わるかもしれない。
でも、その前に須田さんが張り巡らせている心の壁をどうにかしないと……伝わるものも伝わらない。
堅固なその壁に、ほんの少しでも隙間があれば、私はそこを狙って彼の心にアプローチができるのに。今の須田さんは、仕事の話しか受け付けてくれない。
仕事……展示会……ガチャ……。
私はしばらく黙り込み、最近の仕事内容に思いを巡らせる。