ひとりぼっちの上司と私
ふと、須田さんの言葉を思い出した。
『展示物として飾るものと、実際にガチャとして回せるもの。その選定と、せっかくだからイベントらしい仕掛けがあっても――』
展示には歴代のヒット商品を中心に提供することが決まっている。
また、当日販売するガチャは、展示を見たお客さんの『欲しい』と言う気持ちに応えられるよう、過去商品のリバイバルが数台。
王道の売れ筋商品は大めに台数を確保し、数は限られるけれど、発売前の商品も特別に用意するつもりだ。
私の担当した『地元めしシリーズ~富山の海偏~』は、ちょうど発売直前ということもあり、一般発売に先駆けて展示会で初めてお披露目する。
今後はモチーフにする土地と名産品を変え、第二弾の発売も決定しており、展示会での目玉商品と言っても過言ではない。
ブースの中でも目立つ位置に配置することが決まっており、それに合わせて、現在広報部がポスターなどの宣材を製作中だ。
あの商品にまつわるなにかができれば、さらに注目を集められそうだ。
「あの、社長! 展示会のことでご相談があるのですが」
「……お、なにか思いついた顔だね」
「私にも聞かせて、加納さん」
私はこくんと頷き、たった今思いついたばかりのアイデアを説明する。