ひとりぼっちの上司と私
「なるほど。いい宣伝になりそうだ。子ども受けもいいだろう」
「私もやりたい! あの商品って全六種だから、役割余ってるでしょ?」
「……じゃあ、僕もタイニーポケットのブースを歩く時は、協力しよう」
社長も我妻さんも、おおむね好感触の反応だ。
肝心の須田さんの反応だけが気がかりだったけれど、彼だってイベントは成功させたいはず。
もしも私のアイデアに不満があるなら、代案を出してくださいと迫ってみよう。
* * *
実際に彼とコンタクトを取れたのは、それからまた数日後。
社長も『フラッといなくなる』と話していたけれど、最近須田さんが会社にいる時間はますます減っている。
その度に彼は、新規の取引先を獲得してきたり、得意先から発注数増加の合意を得たり、新しいガチャ専門店とのコネクションを築いてきたり……とにかくなにかしらの成果を上げている。
会社としては願ってもないことだけれど、私も社長も、そして彼を慕っている社員みんな、以前より〝鬼上司〟の顔をしていることが増えた彼を心配していた。
「……悪い。遅くなった」
須田さんが会社に戻ってきたのは、退社時刻を少し過ぎた頃だった。
商品企画部で仕事をしながら彼を待っていた私は、自分のデスクの椅子をくるりと回して彼の方を見る。