ひとりぼっちの上司と私
《……まさか、同じことを考えていたとはな》
「えっ? 須田さんもですか?」
《ああ。実は、あそこまで大規模なガチャガチャのイベントにうちの会社が呼ばれるのは初めてなんだ。だから、無事に成功を収められたら、その報告と共に久しぶりに実家に顔を出そうかと思っていた》
私と須田さんが、新しい年を迎えて初めてゆうメロで交流したのは、元日の午後だった。
といっても、前もって約束していたわけではない。大みそかはなんとなく夜更かしをしたために朝はゆっくりと寝て、昼頃に起きて家にあるものを食べた後、なんとなくゲームを始めたら、偶然彼がいたのだ。
いつもの波止場で、ひとり釣りをしていた。
チャットで『あけましておめでとうございます』と伝え、なんとなく一緒に遊んでいるうちに、やっぱり電話がいいということになった。
そして今、ゲームをしながらハンズフリーで通話している。
《展示会、頑張りましょうね。というか、楽しみましょう! 私、自分の会社のなにが好きかって、皆さんが楽しそうに仕事をしていることが一番なんです。自分が商品開発の部署にいるから余計にそう思うのかもしれませんけど……》