ひとりぼっちの上司と私

 だけど、そんなの私にとってはあたり前のことだ。勝手だなんて思わないし、頼まれなくたってずっと待っている。

 ……あなたのためなら、それができる。

「わかりました。……でも、私のことそんな薄情な奴だと思わないでください。東京に来て、初めて心から頼りにできる存在が須田さんだったんです。今までたくさん助けてもらったし、あなたには返せないほど大きな恩がある。だからもっと堂々と待たせちゃって大丈夫です。私は、いつでもここにいます」

〝ここ〟というのは、会社であり、ゆうメロの中でもあり、彼の隣という意味でもある。

 全部伝わったかどうかはわからないけれど、焦る必要はない。それこそ、彼がわかってくれるまで、私はゆっくり待つつもりだから。

《……加納。ありがとな》

 須田さんも、それ以上深く私に尋ねることはなく、私たちはまた穏やかにゲームの世界に没頭する。

 新しい年の始まりに、大好きな彼と大好きなゲームを一緒にできるなんて、幸先のいいスタートだ。

 ――今年はきっといい年になる。なんとなく、そんな予感がした。

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